こんにちは。
飯田橋のカウンセリングルーム、サードプレイスのナカヤマミチです。
花粉症の季節ですね。
耳鼻科のクリニックではこんなやりとりがされているかもしれません。
患者「どうやら今年もきたみたいです」
医者「ずいぶんと鼻の粘膜が荒れているみたいですね、では抗アレルギー剤を出しておきましょう。スッキリクンです。副作用も少ないですよ。お大事に」
・・・3日後、同じ患者さんが戻ってきて
患者「先生、副作用が少ないどころか、あれ飲むとすごく眠くなるみたいです。かくーんといっちゃいそうな時があります」
医者「そうなんですね。ちょっと成分が合わなかったのかな。他ので試してみましょうか。ピタットリンです。ではお大事に」
ところが精神科の場面ではこのようなやりとりが簡単にいかないようなのです。
精神科の薬を服用している人は不具合を感じてもなかなか治療者にいいだせません。
薬の効きが実感できなかったり、むしろ症状が悪くなるように感じても、薬のせいではなく、自分自身の問題と考えがちなのです。
今、自分がいろいろなストレスを抱えているせいだ。
自分のもともとの症状が悪化したにちがいない。
自分の気持ちが弱いからだ。
こんな風に考えます。
また、不具合について話すと薬が増えるのではないかと恐れる人もいます(実際、しばしば増えることもあるようです)。
このように、不具合を抱えているのに、人知れず我慢している人がいます。
でも、『ヒーリー精神科治療薬ガイド』を読むと、少し気持ちが変わるかもしれません。
ヒーリーはこの本の中で、治療者が精神科薬を処方した患者さんと十分にお話ししたり、様子を観察する重要性を何度も強調しています。
それを知ると、薬が自分に合わないように感じたり、気になる症状が出たときは、それを治療者に伝えることが、当たり前に大事なことなんだ、ということがわかります。
先程の花粉症の薬の副作用についての率直なやりとりのようなものが、精神科でも必要だということが納得できるのです。
もちろん、様々な精神科治療薬についての歴史(面白い!)や知識についても書かれていますよ。
すべての薬を飲む人、扱う人、(私のような)その周辺にいる人に勧めたい本でした。
ではまた!
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